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目に鮮やか、春の花めぐり 群馬・水上温泉、富士五湖

09/03/10

啓蟄を過ぎ、草木が花を咲かせ始めると、いよいよ春が到来。本格的な観光シーズンが幕を開ける。春から初夏にかけて、群馬県・水上温泉ではスイセンが、静岡、山梨県にまたがる富士五湖周辺では芝桜やラベンダーが甘い匂いを漂わせ、イベントとともに地域を盛り上げる。花々を愛で、季節の恵みを感じる旅はどうだろう。

28万株のスイセン スキー場が花畑に 群馬・水上温泉

群馬県の北部、みなかみ町の水上温泉は、利根川流域の川沿いに8つの温泉が点在する水上温泉郷の中心地。利根川の清流を眼下に望み、山々に囲まれた自然環境は、澄んだ空気とともに訪れた旅人の心身を癒す。

冬は雪深いが、春になれば木々の新緑が暖かな日差しに映え、鮮やかな自然景観に春の喜びを体感できる。谷川岳、尾瀬も程近く、自然を楽しむ旅の拠点として利用したい。

温泉街には老舗旅館が軒を連ね、観光遊覧馬車や遊技場でのスマートボールといった昔懐かしい風情が。若山牧水、太宰治、与謝野晶子、北原白秋といった文人たちも水上温泉が持つ自然と風情を愛し、足しげく通ったという。

春真っ只中の4月中旬―5月中旬は、ノルンみなかみフラワーガーデンへ。オフ期のスキー場を利用した花のテーマパークで、閑散期の新しい名物にと昨年から始めた。

リプリートや黄房など19種28万株のスイセンがスキーゲレンデ斜面一面に花を咲かせる。昨年の17種20万株から大幅に数を増やし、一層見ごたえある景観を作り上げる。黄色と白の花々が大地を覆い尽くす様は壮観そのもので、春の匂いを満喫するのにもってこいだ。

園内では、地元のそば職人によるそば打ちの実演販売が行われる。地元産のそば粉を使った打ち立てのそばのほか、マイタケの天ぷらや旬の山菜料理も味わえ、スイセンを眺めながら水上の味を堪能したい。

営業時間は9―16時で、土日祝は8時30分から。JR水上駅から無料のシャトルバスも午前を中心に1日5本運行(水上駅行は4本)する。

入場料は大人1000円、子ども500円。リフトも利用でき、料金は往復大人700円、子ども300円。

芝桜とラベンダー 富士山と花の競演 富士五湖

日本が世界に誇る名山・富士山は、春になると青空に頂の残雪と雄大で神秘的な姿が映え、一層美しさが際立つ。富士五湖周辺には色鮮やかな花々が咲き誇り、富士山とのコントラストで自然の芸術を作り上げる。

晩春は、本栖湖近くの富士本栖湖リゾートで4月29日―5月31日に開かれる「富士芝桜まつり」を訪れたい。

マックダニエルクッションやスカーレットフレームといった多彩な品種、約70万株の芝桜が満開に。約2・4ヘクタールにわたり赤、紅、白、桜色の鮮やかな絨毯を敷き詰め、雄大な富士山に彩りを添える。初めての開催だった昨年は、約30万人が来場した。

会場隣では、「富士山うまいものフェスタ」を同時開催。吉田うどんや富士宮焼きそば、信玄餅など地域の食が集結する。その場で味わい、また土産物として購入し、富士の味を楽しもう。

期間中、富士急行・JRが大月や新宿から臨時列車を運行。河口湖駅からは専用シャトルバス「芝桜ライナー」が運行され、約30分で会場まで結ぶ。入園券と往復乗車券のセットは1800円。

営業時間は8―17時。入園料は大人500円、子ども200円。

初夏は、6月19日―7月12日に開かれる「河口湖ハーブフェスティバル」へ。この時期の河口湖の風物詩とも言われるイベントで、ラベンダーが八木崎公園、大石公園を中心に湖畔一帯を紫色に染め、甘い香りに包み込む。

期間中は八木崎公園で日没から22時まで、ハーブガーデンのライトアップ、光のトンネルやイルミネーションを実施し、湖畔を幻想的に演出。ガーデニングコンテストやガイドウオーク、ステージイベントなど、数々のイベントも行われる。

開催時間は9―21時。入場は無料。

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