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お茶は静岡・味わい豊か

静岡県の大きな魅力の一つが「お茶」。生産量は日本一、品質も自他ともに認める高さを誇る日本一のお茶どころだ。茶畑が一面緑に輝く春から初夏を前に、今一度、静岡のお茶の魅力に迫る。

静岡県は温暖な気候や適度な降水量といった茶の栽培に適した環境を有し、茶栽培の歴史は室町時代には始まったといわれる。江戸時代には松尾芭蕉が「駿河路やはなたちばなも茶のにをひ」と詠んだほど「お茶は静岡」が浸透。今では県内に総面積約2万ヘクタールの茶畑が広がり、日本の茶生産量の約半分、流通量の約6割を占める一大茶産地となっている。

県内の主な生産地は天竜、中遠、牧之原、川根、志太、本山、清水・庵原、富士・沼津。春を迎えると新茶の香りとともに茶畑の丸い畝が鮮やかな緑に染まり、季節の風物詩としてその景観も見ごたえ十分だ。

川根の茶畑

川根の茶畑。大井川鐡道のSLと
茶摘みの風景は旅情を誘う
(提供:静岡県観光協会)

芳しい香りと深みのある味わいが静岡茶の魅力だが、その種類は地域や製造工程によって様々。代表的な存在である煎茶をはじめ、番茶や粉茶、茎茶、抹茶、ほうじ茶、玄米茶など、ひと口にお茶と言っても、仕上げ工程や炒り方、混ぜ具合で多彩な味わいが楽しめる。高級茶である玉露も藤枝市岡部地区の朝比奈川上流などで生産され、嗜好品、贈答品として重宝されている。

注目集める「深蒸し茶」 栄養面で高い効能

なかでも最近注目を集めているのが、深蒸し茶。煎茶の一種で、葉の蒸し時間を通常の2-3倍にすることで茶の成分がより抽出され、渋味や苦味を抑えたまろやかかつコクのある味わいを持つ。

お茶にはカテキン類やビタミンC、ミネラルといった成分が含まれるが、深蒸し茶は一般の煎茶では溶けにくいビタミンAや食物繊維、葉緑素がより多く含まれ、深蒸し茶の代表的産地である掛川市をはじめ藤枝市、磐田市、浜松市などが「がん死亡率の低さ」で全国トップクラスであることから最近テレビ番組で深蒸し茶の健康効果の高さが紹介され、注目を集めている。

県内にはお茶に触れ合える施設やツアーが数多くあり、島田市の「お茶の郷博物館」ではお茶摘みや釜炒り茶づくり、茶娘衣装体験などが楽しめる。

そのほか茶畑散策や製茶工場見学、茶農家入門など様々なツアーも生まれてきており、お茶どころ・静岡で「お茶ツーリズム」を楽しみたい。

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